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『リフォーム』か『建て替え』で迷ったら|押さえておきたいそれぞれのメリット・デメリット

『リフォーム』か『建て替え』で迷ったら|押さえておきたいそれぞれのメリット・デメリット

2022.01.12 17:06comment(0)



子育ても一段落し、あらためて住まいに目を向けたとき「そろそろ家もリフォームしないと……」と考えてはじめた方もいるのではないでしょうか。

築年数が経過している家は、断熱性能が低く、夏は暑く冬は寒いという住環境におかれていたり、屋根や外壁は錆やひび割れなどで雨漏りのリスクが高まったりします。
劣化の程度により多くの方が悩むのが「リフォーム」か「建て替え」かの選択です。

リフォームを選択した場合、どれくらい費用をかければ理想の住まいになれるのか不安があるでしょう。
とはいえ、建て替えを選択したくとも、そもそも建築制限によって建て替えできないケースもあります。
家族構成が変わり暮らし方が変わると、交通や買い物の利便性や周辺環境などを含めて求める住環境も変わります。
老後になっても長い間住み続ける可能性はあるのかなど、将来的な暮らしを想定しながら選択する必要があります。

そこで今回は、リフォーム、建て替えそれぞれのメリット・デメリットやどのように判断し選択すべきか、また、第三の選択肢となる「住み替え」についてもご紹介します。
老後を見据えての最適な住まいづくりの計画に役立ててください。

今住んでいる家が古くなったときの2つの選択肢

住んでいる家が古くなったときには、一般的に「リフォーム」と「建て替え」の2つの選択肢があります。耳慣れた言葉ではありますが、あらためて確認しましょう。

リフォーム・リノベーション

リフォームやリノベーションは、既存の建物を残しつつ内外装などを新しくするものです。
スケルトンといわれるような柱と基礎だけ残し、間取りも変更して断熱材やサッシも交換するような大規模リフォームから、水回りのみの交換や内装・外装の張り替えなど部分的なリフォームまで、目的や予算により手をかける工事範囲はさまざまです。

敷地条件によっては、建て替えができずリフォームのみの選択肢となるケースがあります。「再建築不可物件」といい、建築基準法により新築の許可がおりません。
再建築不可物件となるのは、「接道義務」を満たしていない敷地です。接道義務とは、原則として4m以上の道路に敷地が2m以上接していることです。
4m未満の道路に接している場合でも、道路境界からセットバックすることで建築可能になることもあります。

建て替え

建て替えは、既存の家を解体して新たに建てることです。
更地の状態から建築するため、現在の家族構成に合わせたライフスタイルを自由に取り入れることができます。

日々進化している最新の住宅性能を採用することにより、現代の住まいづくりにマッチした耐久性も得ることができるでしょう。

なお、上述でも触れた通り、敷地が「再建築不可物件」である場合は、建て替えという選択肢は難しくなります。

リフォームと建て替えのそれぞれのメリットとデメリット

リフォームと建て替えには、次のようなメリット・デメリットが考えられます。

なんといっても資金面! リフォームのメリット

予算に合わせた工事内容で計画できるのが、リフォームの大きなメリットのひとつです。
工事の規模にもよりますが、建て替えよりも資金面では割安になることが多いでしょう。
愛着のある住宅を残したまま、快適な住環境にできるのはリフォームならではです。
部分的なリフォームなら仮住まいをすることなく、住んだまま工事を進めることも可能なため、工事以外の費用も節約できます。

リフォームの内容によっては、省エネやバリアフリーなどさまざまな補助金の活用も可能です。
小規模リフォームでも対象となる補助金もありますので、ぜひ活用したい制度です。

建築制限があり建て替えできなくても、リフォームならほとんどの場合が可能です。
既存の建物を解体することはできませんが、柱だけを残してまるごとリフォームするような大規模リフォームなら、建て替えのように自由な設計プランも叶います。

リフォームのデメリット

耐震性を高めたり、断熱性能を強化したりする大規模リフォームになると、建て替えと同程度の費用がかかることがあります。
部分的なリフォームとは異なり、構造体に手をかけると費用負担が大きくなります。

リフォームでも間取り変更には対応できますが、建物を支えるような重要な構造体となる部分を移動させたり、解体したりするのはできるだけ避けなければなりません。
そのため、必ずしも希望通りの間取りにならない可能性があります。

住宅ローンを利用する場合、リフォーム対応ローンは種類が少なく、金利も新築時に利用するよりも高くなることが多いでしょう。
借入額の上限も新築より低く設定されているのが一般的です。リフォーム工事の予算とローンのバランスをしっかりと計画することが求められます。

部分的なリフォームの場合、リフォーム以外の箇所はそのまま劣化が進みます。
屋根や外壁、サッシまわりなど風雨にさらされる部分は劣化が進むと雨水の侵入などにつながりやすくなります。

新築に生まれ変わる! 建て替えのメリット

建て替えは、新しい家に住めるのが大きなメリットです。
長く住み続けた家に愛着はあると思いますが、水回り設備が古く使いにくかったり、傾斜のきつい階段で2階の寝室に移動しなければならなかったり、これから先の身体への負担が大きくなることも考えられます。
建て替えなら、あらかじめ寝室を1階に設けるなど自由な間取りを計画しやすくなります。

家を新しくすることで、子ども世代や孫世代にも残せるような家が建てられます。
今の自然環境でも安心な災害に強い家が可能です。また、地盤に不安がある敷地なら、地盤調査から地盤改良工事までしっかりとプロセスを踏んだ家が建てられます。
原則、地盤調査はすべての新築物件で行われますから、調査、改良、保険加入のセットで将来的にも安心できる家づくりが可能です。

価格と工期。建て替えのデメリット

既存の家よりもコンパクトな家を建てるとしても、建て替えはリフォームより費用がかかるのが一般的です。
建築工事中は仮住まいも必要になり、解体前の家財の処分費や2度の引越し、荷物の一時預かりなど、工事費とは別の経費的な費用も必要です。

解体してからの新築工事になりますので、工事期間もリフォームより長くなります。住みながらのリフォームと比較すると、片づけや引越しなど身体的にも負担がかかることが考えられます。

リフォーム? 建て替え? それぞれの判断基準

リフォームと建て替えにはそれぞれのメリット・デメリットがあり、自分たちが選択する場合にはいったいどちらがよいか、アレコレと迷ってしまい、なかなか判断するのが難しいかもしれません。
ここからは、選択肢を決めるときの判断基準についてご紹介します。

老後の生活プランを考えるリフォームの判断基準とは?

リフォームを選択肢として判断する基準として、次のような要素が考えられます。リフォームは老後の生活プランも考慮した計画を進めることが大切です。

  1. 費用を安く抑えたい
  2. 基礎部分に心配がない
  3. 今の家に愛着がある
  4. 老後は施設で暮らしたい

「費用を安く抑える」ことを優先したい場合は、予算に合わせたリフォームがよいでしょう。どの程度まで手をかけるべきかについては、現在抱えている建物の不具合にもよります。
雨漏りや結露など、実際に不具合として表面化している部分は、これからも長く住み続けるためには早めにメンテナンスが必要です。
表面化している部分がなければ、外回りのメンテナンスチェックをしつつも内部の水回りを交換したり、間取りや内装をリニューアルしたり部分的なリフォームが可能です。

基礎部分に不安がない場合も、リフォームで対応できます。事前に基礎部分のチェックは必要ですが、建物の土台がしっかりしているなら安心できます。

現在の住まいに愛着を持っている方は多いでしょう。古くなったとはいえ、家族とともに大切に育んできた思い出もあります。
まるごと建て替えるのは寂しいという場合は、部分的なリフォームがおすすめです。
床の間付きの和室を残し、将来、車いす生活になったときのために、他はフローリングにするなど自由な組み合わせも可能です。

老後は施設暮らしを希望している方も増えています。
身体が元気な間は自宅で過ごし、車や自転車の運転が不安になったら利便性の良い施設に入ることを想定している方は、費用を抑えられるリフォームがよいでしょう。
高齢者向けの施設は賃貸と同程度、またはそれ以上の費用になることも想定されます。リフォーム資金と老後の生活資金をしっかりシミュレーションして計画しましょう。

あと30年住むかどうかが目安! 建て替えの判断基準とは?

建て替えを選択する判断基準としては、次のような要素が考えられます。

  1. 30年程度住み続ける
  2. 子どもや孫世代が住み継ぐ
  3. 老後資金とは別に住宅資金が2,000万円程度用意できる
  4. 既存住宅の老朽化が激しくリフォーム費用がかかる

建て替えは建物の寿命が長くなるため、屋根の葺き替えや外壁補修など大規模なメンテナンスが近々に発生する心配はなくなります。
そのため、これから30年は住むことになりそうなら建て替えもよいでしょう。
男女問わず寿命は長くなっていますから、仮に60歳で退職してもその後30年程度は住み続ける可能性があります。

子どもや孫世代と二世帯住宅という選択肢があるなら、建て替えはおすすめです。住宅資金をお互いが負担するなど、資金面でもメリットがあります。

夫婦だけのコンパクトな家を建てるとしても、建て替えには2,000万円近い費用がかかります。
老後の生活費を差し引いてもなお、住宅資金として使うことができる場合は、建て替えで老後の暮らしにもやさしい住宅仕様にするとよいでしょう。

もっとも悩んでしまうのが、既存住宅の老朽化が進んでいる場合です。
不具合箇所の修繕や災害にも強い耐久性のある構造体にする場合、スケルトンリフォームといわれる基礎、柱、梁だけ残しほぼ新築と同じように建築しなければならないケースがあります。
基礎の補強が必要な場合もあり、費用が建て替えと同程度かかる場合もあります。
このようなケースでは、リフォームと建て替えで具体的に見積りをし、将来的なメンテナンス費用も考慮したうえで最終的な判断がおすすめです。

家が古くなってきたときの、第三の選択肢『住み替え』

ここまでは、リフォームと建て替えの2つの選択肢についてご紹介してきました。
どちらがより最適な選択肢となるか、資金面の問題などもありすぐには決められないという方も少なくないでしょう。

そこで、住宅資金をあらたに生み出す第三の選択肢として「住み替え」という方法についてご紹介します。

「住み替え」とは? 住み替えを選択するのはどんなケース?

「住み替え」とは、「住む場所を変える」ことであり、既存住宅を売却し、その資金を元に新たな場所に土地を購入して新築したり、建売住宅やマンションを購入したりするものです。

既存住宅の土地が駅近くであったり、買い物や交通の利便性が良かったり、または人気の学区にあるなど土地評価が高い地域である場合は、売買価格も高く取引される可能性があります。
売却額によっては、まとまった住宅資金が生まれることが期待され、比較的価格が安い郊外の静かな場所や、家庭菜園など趣味を楽しめる広い敷地への住み替えができます。

売却資金で子ども世帯の近くに住居を移せば、同居をしなくてもお互いがほどよい距離感でコミュニケーションが図れるため、老後になってからも安心です。

柔軟で広い視野を持つ! 住み替えのメリット

住み替えにより、今までの暮らしではできなかったさまざまなことに取り組めます。
例えば、ペットとの同居です。限られた住空間や近隣環境では叶わなかったペットとの暮らしも、住み替えなら実現できるでしょう。

野菜づくりなどの趣味を楽しむことができるのはもちろんですが、さらに一歩進めて手作り野菜や果物を使ったケーキなどをふるまうカフェを営むなど夢も膨らみます。

住環境を変えたいと考えている方にも、住み替えはメリットがあります。
例えば、ご近所とのトラブルや人付き合いで悩んである方は、別の場所での新たな暮らし、コミュニティを育むことができます。
住み替えは今住んでいる場所にこだわらないことで、さまざまな可能性が広がります。

リフォームでも建て替えでも、知っておいてほしい家づくりの大切なお話

リフォームあるいは建て替えのどちらを選択することになっても、将来を見据えた住まい計画として、事前に検討しておきたいことがあります。

住まいを考えるときは人生を考えるとき

どこに住むか、どんな家でどのような暮らしをするか、住まいは人生の中においてとても重要な役割を果たすものと考えます。
また、大切な資産となるものですから、資金的なこと、資産価値、将来的な管理方法などをしっかりと考えて計画することが大切です。

暖かさが健康寿命を延ばす

住環境が人の健康に大きく影響を及ぼすことは、よく知られています。
工業製品化が進む現代の住まいでは、シックハウス症候群などを耳にすることもあるでしょう。
シックハウス症候群は住宅に使われる建材などが要因となるものですが、住宅の断熱性能によっても、健康に影響があることが明らかになっています。
高断熱住宅で暮らす方には有病者が少ないというものです。

断熱性能が低い家では、冬場に体が冷える傾向があります。足元がヒヤリとしたり、こたつで足は暖かくても背中が冷えたりします。
体温が低いと病原菌を退治する免疫力が低下すると考えられています。
そのため、暖かい家で過ごすことで体温が上がり免疫力が維持されることが期待されます。

実際、ヒートショックといわれる冬場に発生しがちな部屋間の温度差によって、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まると考えられています。
暖かい家で暮らすことは同時に、寿命を延ばすことにつながるのです。

まとめ

今回は、古くなった家をリフォームするか建て替えをするか迷っている方に向けて、メリット・デメリットや選択する際の判断基準、第三の選択肢である住み替えについてもお伝えしました。

どちらを選択するとしても、老後も健やかに元気で過ごせることがポイントです。
健康的な暮らしができれば結果的に医療費や介護に必要な費用は住まいに充てることができます。

将来の理想的な暮らし方を、具体的にイメージして検討してください。
ご自身だけではなかなか方針を決められないときは、不動産や住宅の専門家に相談し資金計画のシミュレーションもしてもらうと判断しやすくなるでしょう。
不安な部分があればプロのアドバイスを参考にして、最適な選択ができるように進めていきましょう。

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